長寿命、デジタル化、コロナによる場所を選ばない働き方、長期雇用(終身雇用)や年功序列の給与体系など、これまでの日本的雇用慣行は多様な人材活用、イノベーション、生産性の向上などが求められる時代においては、多くの課題を抱えています。
これから長い人生を過ごされる人にとって、あなたらしい100年人生の生き方、働き方とは?どのようなものなのでしょうか。
私が100年人生における働き方を考えるうえでヒントを得た方々の言葉をご紹介します。
まず、世界的ベストセラー「ライフシフト・100年時代の人生戦略」の著者であるリンダ・グラットンさんのメッセージをご紹介します。リンダさんは、これからの時代、有形資産である、いくら稼ぎ、貯金するよりも無形資産である3つの重要性を伝えています。
- あなたが持っている技術や評判
- あなたの健康と友人関係
- 自分を変化させる能力
環境の変化はさらに早くなり、続いていく中で、この能力を高めることは良い人生を送るうえで重要です。
また、このインタビューの中で、30代で“新たな道”にチャレンジすることも選択肢の一つであることや、自分の生き方について“多くの選択肢”があることを感じることが重要だとも伝えています。
あなたの人生を素敵なものにするため、理想とする人生や将来像、働き方について自身と語り合う時間を大切にしながら、あなたにとっての天職を探していきましょう。
出典:リンダ・グラットンさんに聞く 「人生100年時代」の生き方とは? – クローズアップ現代 – NHK
私は恵まれていることに営業職からマーケティングへ、日系企業から外資系企業へ、旅行業界からIT業界へ、一般社員からマネージメント職へとキャリアアップの旅をすることができています。
私も皆さんと同じく、経済や社会変化のスピードが加速する中、多くの課題や壁にぶつかりながらも、自分自身と語り合いながらキャリアアップを続けてきました。その結果、それぞれの年代で天職にめぐりあえたのかもしれません。
皆さんの天職の見つけ方のアドバイスになれたらと思い、ここから私のキャリアアップ旅をご紹介します。
私のキャリアアップ旅
新卒から20代は旅行会社でツアープラン、手配、営業などの仕事をしていました。右も左も分からず、がむしゃらに先輩達から多くを学びました。大好きな仕事だったので長時間勤務は気にならなかったのですが、日々、仕事をいかに早く、正確に仕上げるのかということにフォーカスしていました。
その後、景気や社会情勢に大きく影響を受ける旅行業を続けるのは、生活的にもやりがい的にも厳しい状況となり30代に入ってすぐ、IT系の日本企業へ営業として転職しました。
しかし、異業種転職は覚えることも多く、業界や企業文化が全く違うこともありとても苦労しました。
IT業界ではあまり教える文化はなく、自分から積極的に素早く学ぶ姿勢が求められました。
3年程この会社で働いたあと、同僚の推薦でIT系の外資企業へ営業職で転職をしました。しかし、初めての外資企業での勤務は言語(ビジネス英語)や仕事のやり方の違いなど、たくさん戸惑うことがありました。
30代後半になってくると、マネージメント職になり、これまで以上に自分自身の意思を正確にしっかりと伝え、プロジェクトを戦略的かつロジカルに進める力が必要になりました。どんなに素晴らしいアイディアでも、それを正確に上司やチームに伝えて、組織全体で会社を盛り上げていく、コミュニケーション力や柔軟性、市場ニーズを素早く学ぶ力が大切になってきました。
その頃から交渉相手が理解できる同じ言語やフレームワークで話す重要性を感じ、英語やマーケティングの勉強をしていました。その結果、40代の時に外資系では珍しいことなのですが、営業からマーケティングという職種転換をすることができました。
その後もマーケティングの勉強を続け、40代の後半に別のIT系、大手外資企業転職し、マーケティングプロジェクトを最初から作り上げるチャレンジをすることができました。
ここでも全く違う企業文化の中で、世界のチームメンバーと連携していくことが重要だったので、国内外の調整など、いくつもの壁にぶつかりながら、プロジェクトを進めてきました。
これまでのキャリアアップの旅は、自分の人生観を自問自答しつつ、数々の壁にぶちあたりながらも、素早く学ぶ力や柔軟性を磨きながら成長を続けた結果、各年代にあった天職と巡り会えてきたのかもしれません。
働くのは誰のため?何のため?理想の働き方とは?
100年人生において何を学びどう働くのかは、あなた自身の理想の人生に合わせて自分で選んでいくことになります。人材市場のニーズや転職テクニックを学ぶ前に、どんな人生を送りたいのか、どんな仕事をしたいのか考えてみましょう。
ここからは私がキャリアアップの旅のヒントを得た3つの著名人のメッセージをご紹介します。
- その仕事はライスワーク?ライフワーク?:
「キャリア未来地図」の描き方著者:原尻純一、千葉智之
「キャリア未来地図」の描き方の著者である原尻さんと千葉さんが紹介している”ライスワークとライフワークの2軸で考える”という内容をご紹介します。
今のあなたはどのステージにいて、今後はどこに行きたいのか、自分の理想の働き方を考えてみましょう。
- ライスワーク(Rice-Work):ご飯を食べるための活動
- ライフワーク(Life-Work):夢や自分の好きなことを追い求める活動
仕事のキャリアが浅い方は、ライスワークの方が多いのではないでしょうか?50代前後でのアーリーリタイヤメントをしてライフワークをしたいと考える方は、ファイナンシャルポートフォリオなど生活にかかる費用をどうするのかについて、早いうちから考える必要があります。ライスワークをしっかりやって、給与を高める転職をすることや、給与があまり高くなくても節約して好きなことをやり続けることも選択肢の一つですので、自分にはどんな働き方が合うのか、就職、転職時に考えるべき重要なポイントです。
「ライスワーク」と「ライフワーク」の2軸で働き方を考える | 「キャリア未来地図」の描き方 | ダイヤモンド・オンライン (diamond.jp)
2.次のステップをイメージして、希少性を高めるよう:教育改革実践家 藤原 和博
どんな人でも、「正しく」努力すれば100万人に1人の存在になれると、教育改革実践家/元リクルート社フェローの藤原和博さんは言っています。希少性を高めることは、人材市場ではとても大切なことです。下記の図のように3つのキャリアを掛け算して大三角形を作ることで、希少性が高めることができます。
希少性を高めることは多様性の時代に他者との差別化をし、キャリアアップ転職をするには重要な要素です。
出典:3つのキャリアを掛け算して100万分の1の人材になる――藤原和博氏が語る人生100年時代の働き方 | GLOBIS 知見録
キャリアの1歩め、2歩を固めるには「1万時間」、だいたい1日3時間集中して、365日やるとだいたい10年で1万時間になるそうです。どんな経験も1万時間もやればマスターできるということです。
松下電器の松下幸之助さんや数々の成功者は言います、「成功するまで続ければ失敗ではなく、そこから何を学ぶかである」と。若いうちはたくさん経験して、学ぶ機会が多いです。それらで得られた経験を掛け合わせて、自分の希少性を高めていきましょう。
3.今の時代に求められる力とは?:「Deep Work・大事なことに集中する」 著者 カル・ニューポート
コンピューター科学者であるカル・ニューポートは「Deep Work・大事なことに集中する」という本の中で、デジタル化する経済社において、重要な2つのスキルについてこう語ります。
- 難しいことを早くマスターする力
- 速いスピードで質の高いものを生産する力
時代の変化が速く、働き場所を選ばない時代においては自分の住んでいる場所だけが、働く場所ではなくなり、都心部や地方という考え方がなくなりつつあります。周りにいる人達だけが、望む就職、転職をする際のライバルではなくなりました。就職、転職市場においてはこの2つ力を磨いていくことが求められます。
時代に求められるスキルを磨くために
これは私の経験からですが、時代に求められる力を磨くためには、仕事からだけでなく、色んな人の話を聞いたり、本を読んだりすることをお勧めします。今はキャリアカウンセリングやコンサルタントの方に話を聞くこともできますし、さまざまな本や動画を見ることや就職、転職セミナーに参加することもできます。自分の興味があるビジネススクールや資格取得の勉強も次に繋がる一歩になります。私は大学院や異業種交流の中で様々な考え方や視点を持つ方々からお話をうかがったり、社外メンターから視野の広い助言をもらえたことも、キャリアアップにつながったと思います。
最後に
あなただけのキャリア・人生を素敵なものにするため、いろいろな可能性を試してみましょう。人生にはたくさんの選択肢があります。一度選んで違うなと思ったらいつでも乗り換え可能です。ただ、転職では無茶な飛び乗りは、実際にやってみるととても大変なものですし、長続きは難しい場合が多々あります。私は「斜め上転職」、いわゆるこれまでの経験や学びを生かしてちょっと高めに手を伸ばすような転職をしてきたので、比較的上手くキャリアアップしてこられました。
もし、自分の就職、転職やキャリアアップに迷っている方がいらっしゃればSouerでは、カウンセリングやお問い合わせをお受けしておりますので、いつでもご相談ください。
内閣府発表:第2章 第2節 働き方の多様化に向けて求められる変革 – 内閣府 (cao.go.jp) NHK リンダ・グラットンインタビュー リンダ・グラットンさんに聞く 「人生100年時代」の生き方とは? – クローズアップ現代 – NHK Deep Work:大事なことに集中する―――気が散るものだらけの世界で生産性を最大化する科学的方法 | カル・ニューポート, 門田 美鈴 |本 | 通販 | Amazon 原尻純一、千葉智之「キャリア未来地図」の描き方 「ライスワーク」と「ライフワーク」の2軸で働き方を考える | 「キャリア未来地図」の描き方 | ダイヤモンド・オンライン (diamond.jp) 天職は寝て待て 天職は寝て待て 新しい転職・就活・キャリア論 (光文社新書) | 山口 周 |本 | 通販 | Amazon 『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』『ニュータイプの時代』 「学び続けること」が求められる時代に 山口 周氏 (adeccogroup.jp) 藤原和博 3つのキャリアを掛け算して100万分の1の人材になる 3つのキャリアを掛け算して100万分の1の人材になる――藤原和博氏が語る人生100年時代の働き方 | GLOBIS 知見録
コメントを残す