【アドラー心理学】判断に迷った時ほど「共同体感覚」が大切

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ここ何年か流行しているアドラー心理学。基本的に流行り物が嫌いな私ですが、仕事がら(キャリアコンサルタントそろそろ読んでおこうかなと思い、読んでみました。

アドラー心理学を読んでみて

対人関係を良くする方法が盛りだくさん

人間の悩みのほとんどは人間関係にあるそうです。私もキャリアコンサルタントとして、キャリア相談を受けますが、表向き転職・昇進の相談として話していくうちに上司/部下/同僚、家族との関係性の問題と確かに人間関係が根底にあることが多いです。社会に出て働くということは必然的に人との関わりが多く発生しますので、自分の行動1つ1つ全てには誰かしら関わっている人がいます。アドラーの人間の行動の全てには相手役がいるという『対人関係論』がまさにこれにあたります。

相手の行動によって自分も影響を受け、それをまた相手が受けるというサイクルが成り立っていうので、そのサイクルの一部で問題が発生する(相手と自分の間で何かすれ違いが起きたり、誤認が生じたりすること)とそれが悩みとなり、人間関係も悪化させる原因となりかねません。

それを防ぐためにも、もしくは的確に修復するためにも、相手を理解すること=相手を観察することが必要であり、アドラーはその方法について何通りもの理論を紹介しています。会社でも家族でも、仲間でも色々な関係で便利かつ建設的な方法がたくさんあるなという印象がありました。

自己分析にも使えるヒントがたくさん

実は上記の対人関係論は自分自身が相手となることもあります。自問自答です。このように、自己分析で使えるような理論の紹介もたくさんありました。認知論を知ることによって、自分の弱みが強みに変わるかもしれません。家族布置を知ることによって生きやすくなるかもしれません。自分を振り返る中でずっと比較をされてきたから自分に対して肯定感が低いというのであれば、比較をする人は勇気のない人と知れば、自分の見え方も変わってくるのではないでしょうか?自己分析をしていて、自分はマイナス面ばかり目につくなという方は是非参考にしていただきたいなと思いました。

就職/転職活動前に是非読んでほしい

アドラーの大きなテーマは『自分自身を変えること』です。私はキャリアコンサルタントとして、何百人とカウンセリングをさせていただきましたが、特に転職ともなると現状から何かを変えたいという理由に尽きます。しかし、『私なんか今の会社でしか評価されない』『未経験だし私にできるのかな』『やりたいことがあるのに、なんの経験も活かせない』など皮肉にも自分を否定的に捉えている方が少なくありません。でも、どんなに自分を否定的に捉えたところで、転職したい気持ちは変わらないのです。そんな時にぜひ考えてほしいなと感じたアドラーの目的論があります。

目的論とは目的は何か、できることを考えるというものです。志望動機・自己PRを作成する時、どういうわけか、みなさん頑張って書こうとしてしまうのです。頑張って書こうとすると、本来の自分ではなく理想像へ近付けなくてはならないという無意識の中の意識が働き、だんだんそのギャップに耐えられなくなり、自分に対して否定的になってしまいます。

そうならないように、自分自身の捉え方を変え、そしてできることにフォーカスすることに専念してみてほしいと私はいつもカウンセリング中にお伝えすることが多いのですが、まさにそれがアドラー心理学には詰まっているなと感じました。就職/転職活動前に読むと何かしらヒントが得られるのではないかなと思います。

 

個人的に一番刺さった『共同体感覚』

共同体感覚とは

仲間の人間に関心を持ち、全体の一部となることを言います。個人は全体の一部であり、個人は全体とともに生きていることを実感するということが健全な人間関係を生み、悩みすらも解決するという概念です。もう少し噛み砕いてお伝えするのであれば、自分自身の利益を追及ばかりしてても幸せを感じることはできないということです。逆に考えれば、他者の利益を考えれば幸せを感じる可能性があるということです。(他者貢献

共同体感覚はこんな時に便利

何をすべきか分からない時

よく転職活動時に『目標がない』『この先何をして良いかわからない』という方がいらっしゃいます。このような時、自分に焦点を当てているから自分は何がしたいのかがわからないのだと考えます。例えば、私はパソコンをブラインドタッチできるので、タイピングが早いというできる事実があります。これをよく『全然特別なことではないし、大したことでもない』という方もいるのですが、それは大きな間違いで、その能力を欲しいと思う人もいるのです。その必要としている人の為に自分のスキルを生かすという発想をすることで、一つやることが見えてきます。何をすべきかわかない時は自分の考え方によりすぎている可能性(私的理論)があるので、共同体感覚を知ることによって、自分が何かの一部としてやれることはないかと視野を広げてみることができそうです。

苦手な相手と行動を共にする時

上記と同じ発想ですが、誰かを苦手だと感じることは私的理論であると言えます。相手を苦手だと感じ、意識しているのは自分なのです。そんな時に共同体感覚の発想を用いると、『この人はいつも会話が噛み合わない。でもそれには理由があるのかもしれない』と自分が苦手だからこういう行動をしたら自分にとってベストな方法(例えば当たり障りない距離感を保つなど)をとるのではなく、相手はどうしてほしいのかなど相手にとってもベストな方法を考えようという意識が働き、のちの関係に影響を与えることができるかもしれません。

誰かに注意したい時

誰かに注意をしたい時というのは相手がしたことに対して、嫌悪感を抱いた時です。ただ、必ずしもその人がそういう気持ちを抱かせたくてとった行動ではないということにフォーカスしなくてはなりません。そうわかってはいるものの、ただただ怒ってしまったり、指摘してしまったりということはないでしょうか。そういったときも共同体感覚です。私的理論から怒るのではなく、まずは相手を理解しようと共通感覚(コモンセンス)を養う為、その人がなぜそのような行動を取ってしまったのかを把握します。共通感覚を掴み、受け止めること、そこから私的理論を伝えることによって、注意にも素直に耳を傾けてくれるようになります。

 

判断に迷った時ほど「共同体感覚」が大切

上記にあげた何をすべきか分からない時・苦手な相手と行動を共にする時・誰かに注意したい時、人は瞬時に判断をしているのではないかと思います。『これから先何の仕事をしよう』『苦手な人が近くを通る。どうしよう、声をかけるべきか』『部下が仕上げてきた資料、少し直して欲しいんだけど、どうやって伝えよう』どれをとっても、これは、必然的に誰かへ影響を与えるものです。判断に迷った時は、自分に焦点を当てず、関わる人物や、直接関わらないくても取り巻く環境へ存在する人のことを考えてみましょう。そうすると、今どのような判断が望ましいのかがわかってきます。大切な商談や会議での決定事項でも使えそうですね。

 

まとめ

何かに悩んでいたり、困っているということがあれば、もしかしたらそれは自分の意識に偏っている証拠なのかもしれません。何でもそうですが、多角的に、そして広い視野を持つこと、それをアドラーは教えてくれているような気がしました。また、他の視点から考えると、何人もの理論提唱者がいるわけですが、その様々な理論がわかりやすく集大成にしてくれたのがアドラーなのではないかと思うほど、アドラー心理学にはたくさんの理論が描かれていました。心理学に興味があるけどなかなか手が出せいないという方や、マネジメントで取り入れてみたいけど、何から取り掛かって良いかわからないという方はひとまずアドラー心理学を手に取るのがおすすめです。

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