社会人3年目は、なかなか心持ちが難しい年。社会人生活・仕事にはある程度慣れてきたものの、成長を実感できなかったり、他の会社に就職した友達が羨ましく思えて転職が頭をよぎり始めたり…いろいろな悩みが生まれる時期です。
ただ、どんな方向に今度進むとしても、ビジネスマンとして成長する為には充実したインプットがなにより不可欠です。インプットにあたっては、より専門知識を深めようという方も、より社会人としてのソフトスキルを高めたい…という方も書店でビジネス書を手に取ることも多いと思います。
今回は、そんな「ビジネス書からインプットをしたい」という社会人の方の為にオススメのビジネス書をご紹介します。実際に僕が読んでみたビジネス書を目的別にピックアップしているので、「どれ読んでいいかわからねえよ!」という方に、ぜひ参考にしていただければと思います。
目次
ビジネススキルを身につけたい社会人に薦めたい本
まずは、ビジネススキルを身に付けたいと考えている方にオススメの本をいくつかご紹介します。
イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」
ロジカルシンキング、問題解決思考はビジネスマンにおいて非常に重要なスキル。その上でどういった観点で、どんな切り口で課題に向き合うことが必要なのかがまとめられています。簡単に内容をかいつまむと…問題を解決すべき時、実は多くの人は本当に重要な本質と違う論点について議論をしてしまっています。まずは「解決すべき課題とは何なのか」を見極め、対峙することが重要である、本著ではそういった問題解決にあたり重要な
社会人3年目になると、ただ業務をルーティンとして回すだけでは評価は受けられなくなってきます。その中でビジネスマンとしてどういった価値を発揮するか悩んでいる方は本書を読んでみてください。ビジネスマンとしての視点・スキルを一段上げる為に大きく寄与することでしょう。
企画力: 人間と組織を動かす力
「企画」という言葉を聞くととかくアイデアであったり、クリエイティブ力といったスキルが重要であると考えられがちですが、実際に重要なのはどう企画を「実現するか」です。企画は誰かしらのステークホルダーに利益をもたらすものでないといけず、それを正しいフローで正しい人に伝えるための方法論についてが、本書には書かれています。
ですので、この本にある「企画力」とは社内外において企画を実現するためのスキルのこと。事業会社の経営企画部などに所属している方は、この本を読むことで企画を通すための恒常的なスキル獲得につなげることができます。
財務・会計スキルを身につけたい社会人に薦めたい本
次に、財務・会計に関するスキルを身に付けたい方にオススメしたい本をご紹介します。
財務3表一体理解法
財務三表とはすなわち「決算書」のこと。財務系の仕事に関わっていない限り、企業で働いていたとしても決算の内容を詳しく知っていたり考える機会は少ないでしょう。ただし、最近ではほとんどの企業が「社員に決算書を読むスキルを身に付けて欲しい」という意向があり、ビジネスマンとしての常識として決算書を読むスキルは身に付けないといけない時代がきています。
本書はそんな「決算書の読み方」についてを例つきで説明している本になります。決算書は「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」の3つから成り立っているのですが、それぞれの数字は連関しあっています。ですので、その部分を理解していないとなかなか頭に入ってきません。インターネットで知識を集めつつ、バイブルとして本書を参考にしてみるとよいでしょう。
MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣
決算書は、ただ数字の羅列として見るだけでは意味がありません。その数字の背景にどういう意味があるのか、時には数字それぞれを組み合わせた上で意味を読み解くことが大事です。本書では、そんな「決算書の読み方」にフューチャーしたコンテンツが記載されています。
著者は楽天で役員を務めたのち、自身でも事業を興しているシバタナオキ氏。元々はnoteで不定期連載していた内容を本としてまとめたものが本書になります。決算書を読むことにまだ抵抗感のある方や、海外のネット系企業の決算に興味がある…という方にオススメです。
ただし、本書はスキルとしての決算書の読み解き方について記載しているというよりは、個別の企業の決算書に対するシバタ氏の読み解き方についてが中心です。ですので、まずどんな決算書でも読めるようになりたい、と考えている方であれば、本書よりも一つ前に紹介した「財務3表一体理解法」を読む方が目的に適っていると言えます。
エクセルスキルを身につけたい社会人に薦めたい本
エクセルスキルを身に付けたい方にオススメしたい本をご紹介します。
外資系投資銀行のエクセル仕事術
エクセルの使いこなし方に不安がある方は、ぜひ本書をまず読んでみて欲しいところ。エクセルを使うにあたって持つべきルール・フォーマットへの意識や、どのように活用することで分析等に役立てることができるのか、本書を読むことで基本的な部分はほぼ会得することができます。
特に、経営企画や財務系の部署に行くとエクセルを使う機会は非常に増えます。その際にエクセルへの苦手意識を持っていては仕事上、足を引っ張りかねません。「正直、自分はエクセル初心者だな…」と、そう思っている方にこそ本書に書かれている多くの知識・テクニックを活用して頂ければと思います。
外資系金融のExcel作成術―表の見せ方&財務モデルの組み方
こちらの本でも「外資系投資銀行のエクセル仕事術」と同様に、外資系企業で徹底されているエクセルのルール・基本的なテクニックが紹介されています。内容は小難しい内容が羅列されているというよりは、まずは基本のルールをしっかりと意識することの重要性が記載されています。
エクセルに関しては、一冊ルール・FMTについて丁寧に解説された本書のような書籍を一冊購入して、細かいショートカットキーや関数のようなテクニックに関してはインターネットで検索して身につけていくのがオススメです。
マネジメントスキルを高めたい社会人に薦めたい本
これから管理職・マネージャーになる、もしくは既に管理職だけでも部下のマネージメントに悩まれているビジネスマンにオススメしたい本をご紹介します。
25年間「落ちこぼれチーム」を立て直し続けてわかった マネジャーとして一番大切なこと
本書は外資生命保険会社のプルデンシャルにて伝説的マネージャーとして活躍した八木昌実氏の「組織の育て方」についての考えが詰まっています。
マネージャーになる為には、その前に優秀なプレイヤーとして成果が求められることがほとんどです。ただし、マネージャー側になるとどういうマインドセットを持ち、どう組織を導いていかないといけないのか…悩む若手マネージャーの方は多いことと思います。そんな方たちにとって、この本はまず次の日からどういうアクションをとるべきなのか、を設定できるだけの根拠と指針を示してくれます。マネージメントに悩んでいる方は、まず本書を一通り読んでみるとよいでしょう。
そうか、君は課長になったのか。
ご家族の看病と並行しながら東レで取締役まで勤めた佐々木常夫氏によって「課長としてのマネジメント」の心構えについてが記載されています。
この本にはマネージャーとしてどういう志を持つべきか、どうメンバーと向き合うか…というマインドセット、もっといえばマネージャーとしてメンバーに対して持つべき「愛」についてが記されています。その一方で、どう組織として成果を出すかというテクニックについても書かれておりただの感情論に終始しておらず、マネジメントにこれから取り組む課長をはじめとした管理職の方に、オススメです。
本文にも記載がありますが、課長という仕事は部下と会社をつなぐ、最も面白く・重要な立場。受け持つ組織は管理単位として最小、だからこそそこにはとてもやりがいと面白さがあることを、今課長を勤めている方・これから課長になろうとしている方に読み取って頂けると思います。
失敗と本質
第二次世界大戦において、日本がなぜ敗れたのかを組織論の観点から考察・分析した本書、本来の目的としてはビジネスマン向けの本ではありません。ただし、組織論の観点からの考察・分析の深さから、多くのビジネスマンの目に触れることとなった書籍です。
内容自体はかなり細かい情報が記載されており、読み進めるのに少し根気がいるかもしれませんが、日本軍という組織において起きた障害と失敗への経緯についてを理解することで、ビジネス組織におけるリスクや気をつけるべきことへの意識が養われます。
人事目線を身につけたい社会人に薦めたい本
人事や採用について興味のある方にオススメの本です。
人事と採用のセオリー
人事・採用を担う組織は企業の中でも人数は多くなく、どういった思想やフローのもと採用活動や社内の体制を決定しているか、実際にその部署で働いてみないとわからない部分も多いと言えます。ただ、この本にはそういった人事と採用のベールに包まれた実態についてを知る大きな助けとなります。企業がどのように採用設計をしているか、そしてその採用戦略が企業全体の戦略にどう影響していくのか、非常にわかりやすく紹介されています。
タイトルの通り、人事と採用のセオリーを知識としてインプットするならば、まずはこ本書を読むだけで問題ないでしょう。人事組織で働く方はもちろんのこと、今後より経営層に近づいていく管理職の方、また経営者の方たちにとって、外せない名著の一つと言って良いでしょう。
これからの働き方を考える社会人に薦めたい本
キャリア・働き方について考えている・悩んでいる方にオススメの本をご紹介します。
ALLIANCE アライアンス
転職が当たり前と言われるようになってきた時代において、その時々で勤める企業に何を求めるのか、そして企業側も社員とどういう関係性を築くのかは、まだ日本では正しいあり方が決まりきっていません。一方で、人材の流動性が高いアメリカにおいてはその関係性を良いものとするための「アライアンス契約」が人と組織との間の雇用契約においてメジャーになりつつあります。
本書はリンクトインの創業者であるリード・ホフマン氏が書き記したもの。氏の主戦場であったシリコンバレーは人材の流動性が特段高く、どうやってその人材を確保し組織の成長に貢献してもらうかが至上命題だったことから、このアライアンス契約の重要性と意義を実感したのが背景だったようです。これから日本においても企業と人材の雇用関係が変化することが予想される中で、人材を採用する側、企業への就職・転職を志す側の双方が読みたい一冊です。
どこでも誰とでも働ける――12の会社で学んだ“これから”の仕事と転職のルール
転職を繰り返しつつ、市場価値を高め続けてきた著者が日々仕事やプライベートで取り組んでいることについて、紹介されています。
転職を考えるタイミングは人それぞれだと思いますが、それがよりポジティブな思いの中で生まれ、ポジティブな結果に終わる為には日々のキャリア観・仕事観を磨くことが重要です。本書では、「転職が当たり前」なこの時代だからこそ知りたいそういった視点の持ち方や、具体的にどういうアクションをとると良いのかといったTipsについても紹介されています。
終身雇用の時代とは違う、今の時代だからこそ求められるキャリア形成のあり方について学びたい方にオススメの一冊です。
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