「トヨタ生産方式」の根幹に、ダラリを徹底的になくして合理化を進めるというものがあります。みなさんこのダラリ、ご存知でしょうか??経営方針として掲げられているものなのですが、プロジェクト管理・個人の業務・仕事術に至るまで幅広く応用できるので、まだタスク処理で取り入れたことがない方はご参考いただければと思います。
目次
ダラリの法則
ダラリとは
ダラリとは、『ムダ・ムラ・ムリ』の語尾をとったものです。3Mや3ムとも言います。生産管理や業務運用の合理化・効率化を進めるに当たり排除すべき要素として挙げられるキーワードです。
ムダ・・・余分に生産する、余計な動作を含んでいるといった除くべき余剰を指します
ムリ・・・実践できないスケジュールや切り詰めといった能力を超えた計画を指します
ムラ・・・適正な方式が標準化されずにムリとムダの間を行き来している状況を指します
ダラリはなぜ発生するのか
理想的な作業環境は、作業量と能力が均衡している状態です。この2つのバランスが崩れるとムリ・ムダ・ムラが発生します。その原因としては生産管理や業務運用で考えると、人員配置や生産計画が不適切な状態であることが挙げられます。作業量に対して人員が適切でなければ、能力が適していても負荷は大きく、能力が高すぎても、人員が余る状態になります。このバランスをどのように均衡させるかによってムリ・ムダ・ムラの発生を抑えることができるのです。
個人のタスク処理で発生るすダラリ
ムダとは
タスクを処理する時に、本当に全て必要な作業なのか、時たま手を止めて、俯瞰することが大切です。自動化できるところはあるのではないか、改善するために提案を考えてと言われたが、果たして、その改善点はあっていてそこに働きかける提案を考えるということで良いのかなど。日頃当たり前にやっている事を疑って見るという事も必要です。
ムリとは
そのタスクは自分の能力や時間にあっているのかどうか確認をする必要があります。もしも能力に合っていないという事であれば、能力を伸ばしたり、もしくは上司が振ったタスクであれば、自己評価と他者評価に乖離がある可能性もあります。また、時間的に可能なタスク量なのかなども考慮する必要があります。ムリが生じているところを点検する事で、生産性が上がったり適材適所が実現する可能性もありますので、時にムリに合わせて自分を伸ばすことも必要ですが、ムリを受け止めることも必要です。
ムラとは
とにかくやらなくてはという思いから、闇雲に取り組んでいないかを改めて考えてみましょう。闇雲に取り組むことには、上記2つのムダ・ムリが両方とも混在している状況です。一番最悪なケースかもしれません。ムラがあると、非効率はもちろんのこと、ミスも発生しやすくなる状況を作り出します。
トヨタ生産方式のように徹底的にダラリをなくして合理化を進めるには
徹底的にダラリを無くして合理化を進めるためにはムラに注目する事です。
一言、ムラと言ってもこれは上記でご説明させていただいたように、ムダ・ムリが混在している状況です。まず、この混在している状況かどうかを確認し、ムダ・ムリを仕分けします。
仕分けが完了したら、ムダ・ムリそれぞれに分け、それぞれ優先順位をつけて、優先順位の高いものから見直し・改善を進めます。
これを一度で終わらせず、定期的に点検することが大切です。ムダ・ムリを混在させることなく、分離している段階で発見・消化していくことが理想です。
実際に業務にといりいれてわかったこと
実際、業務に取り入れてわかったことは、
断然ミスがへる
効率がよくなり、時間短縮につながった
一つ一つの作業導線がわかり、仕事に身が入るようになった
この3つでした。最後の、作業導線がわかったというのはとても良い作用だったなと感じています。具体的にいうと、あるデータを確認するために目視で行なっていたため、とても時間がかかっており、データから抽出した数字を元に、分析をすることが目的だったはずなのに、いつの間にか、目視確認に間違いがないように頑張ることが目的となってしまっていて、そこで作業が別れてしまっていたのです。データ確認を自動化し、数字抽出→分析という一連の流れを生み出すことによって、分析業務が以前より楽しく感じられるようになりました。
このように、トヨタ生産方式を個人に当てはめて応用すると、自分の志向性(今回でいうと実は分析業務が好きだったということ)など新たな発見もある可能性があります。
初めて知った!という方も、知ってはいたけど自分で取り入れるまでではなかったという方も是非明日から少しずつ試してみてください。
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